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電話でつながる

雑記

また、ぬいぐるみに八つ当たりしてしまった……。
反省。
不安になって、精神的に追いつめられるとモノに当たるクセ、はやく直さないと
いけない。

~~~*~~~*~~~

もう、だいぶ前のことだけど、妹と2人で出かけたことがある。
妹は高校1年生。でも、私が高校1年生だった頃とは、いくぶん違うような気がす
る。
違う個体だから、当たり前かもしれないけど。
妹はスマートフォンを持っている。今時、珍しくもなんともないだろう。
朝からずっとイヤフォンをつけていた。私は音楽でも聴いているのだろうと、気
にもとめなかった。
けど、違った。
「え?」
それまで黙りこくっていた妹が、唐突に声を出すものだから、私は驚いてそちら
を振りかえる。彼女は、私を見てはいなかった。
私の視線に気づいたのだろう、妹は、ああ、とイヤフォンを片方外して、
「電話」と言った。
友だちと電話をしていたのだという。それも、朝からずっと。
「ずっと、繋いでるだけ」
と妹は言った。私の見ている限り、彼女たちは朝から会話らしい会話なんて、し
ていなかった。
ただ、本当に「電話を繋いでいた」だけ。
電話といえば私にとっては「連絡手段」である。必要なときにかけて、必要なこ
とを伝えて、じゃあ、と切る。リアルタイムにやり取りをするための手段だと考
えていた。
でも、彼女たちにとっては、「繋がる」手段だったのだ。
見えない電話線で、彼女たちは繋がっている。
特別やりとりをするわけでもなく、ただ、見えない糸の端と端を持って、たがい
に立っている。
こんな糸もこの世にはあるのだ。