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USBメモリ

CHAGEandASKA 創作の思い出

昔のUSBメモリを開いたら、いつ書いたのかも覚えていない小説が出て来た。それも、書きかけ。

恐らくロジックにエラーが見つかって、書くのをやめてしまったのだろうけど、話の本当に始まりしか書いていないので、今となってはどこが問題なのかもわからない。

データが邪魔なので消そうと思ったけれど、なんとなくもったいないので、ここに〈ポイ〉しておこう。

 

 

宇宙人探偵ツルニ

 

 ツルニ調査員は宇宙人である。

 

 こんなこと言ったら、常識に満ち溢れた市民の皆様には「ふざけんじゃねーよ」と怒られてしまうことだろう。石の礫を頂戴してしまうかもしれない。呆れられて、相手にしてもらえなくなるかも。

 しかし、幸か不幸か、これは事実。我が芝崎探偵事務所の調査員、ツルニは宇宙人なのである。

 もっとも、「宇宙人」というのは地球で生まれ育ち、この三十年近い人生の中で未だ、地球の外に出たことのない私の視点から見たものであって、彼には彼の生まれ故郷があり、「〇〇(彼の生まれた星の名称)人」という呼称もきっと、存在するのだろう。

 以前、彼に生まれた星の名前をたずねたところ、地球生まれの日本人である私には到底、表現できないような音で言い表されてしまったため、便宜上「宇宙人」と呼んでいるだけである。

 芝崎探偵事務所の調査員は二名。所長である私と、ツルニである。

 私はこの探偵事務所の所長となるまでは、駅前に本部を構え、地方に支部も抱えるような大手探偵事務所の事務員として働いていた。たまに、調査員のお手伝いとして、調査に関わったりもした。

五年間、探偵事務所で働き続けたところで、父がぽっくりあの世へ逝った。この探偵事務所は、彼の遺してくれた財産の一部である。耐震強度に明らかに問題のありそうなこのビルを再利用する形で、私はこの探偵事務所を開いた。大手の下っ端で終わるよりは、小さくても自分の事務所を持っている方が、人生楽しそうだと考えたからである。

でも、一人ぼっちは淋しいので、アルバイトを雇うことにした。広告を出すのは、お金がもったいないので、ビルの出入り口のところに、手書きの貼り紙を掲示した。

「アルバイト募集 勤務時間・時給要相談。 芝崎探偵事務所」

 貼り紙を出して、一週間後にツルニが来た。

「僕は探偵として生まれましたので、探偵事務所で働きなさいと言われたのです」

 それが、この事務所にやってきた彼の、第一声だった。

「週に何回、来れる?」

「いつでも来れます。いつでもどこでも」

「時給をまだ、特に決めていないんだけど、希望はある?」

「ありません。僕がここで働くのは、僕が探偵であるためなので」

「ふむ……じゃあ、時給の事は後で、ということで。名前は?」

「ツルニ、です」

 正確には、もっとぼやけた発音だったと思う。「ツ」は「トゥ」にも、「シュ」にも聞こえたし、「ル」も「ル」と「ウ」の中間くらい。「ニ」もひょっとすると「イ」と言ったのかもしれない。だが、その時の私の耳には、「ツルニ」と聞こえた。

「それは苗字かな?」

「ミョウジ?」

「名前は、それで全部なの?」

「これで、全部です」

「じゃあ、齢は?」

「はたち、です」

「出身は?」

 すると、彼は今まで聞いたことのないような、私の知っているあらゆる言語や文字をフル活用しても表現できないような単語を口にした。

「ここから、遠いのかな?」

「地球からだと、ちょっと時間がかかりますけど」

 それで私は、彼が地球生まれではないことを知った次第なのである。

「ええと、君の名前はツルニで、年齢は二十歳で、出身はちょっと僕には発音できないけど、まあ、とにかく地球ではないということで、オーケーかな?」

「はい」

 大真面目に頷くツルニを見て、まあ、本当なのだろうと私は考えた。

 ツルニは地球人ではないようだったが、外見は地球に生息する人間、特に日本人とそっくりだった。

 肩まで伸ばした黒い髪。二重瞼の大きな瞳。彼の顔だちはどこか、柴犬を思わせた。中肉中背。彼の外見を描写するとすれば、それくらいだろうか。あとは、取り立てて書くところがない。服装はモスグリーンのコートに、ジーンズ。靴はスニーカー。珍しくもない。

「じゃあ、何か、特技とかってある?」

「あります。紅茶を淹れるのは、上手に出来ると思います」

「わかった、じゃあ、明日から来て」

 私はツルニを雇うことに決めた。決め手は「特技が紅茶を淹れること」であること。私は三度の飯より紅茶を愛す、紅茶愛好家だった。

 

 それから半年。

 私とツルニは、共に力を合わせて、迷子の鳥を探したり、旅行中の犬を預かったり、捨て猫の貰い手を探したりした。

 ツルニの紅茶を淹れる腕は本物だった。濃すぎず、薄すぎず、苦すぎず。砂糖もミルクも必要ない、完璧な味だった。

 ツルニの出身地の話も、いくらかした。

 ツルニの星では、人は人が作り出すのだという。母親の腹から出てくるのではなく、工作と同じ要領で人が作り出すらしい。ロボットのようなものか。

 それも、ただ闇雲に作るのではなく、きちんと、目的をもってつくられる。例えば、料理人になるために作られる人もいれば、短距離走選手になるために作られる人もいる。その「人」を作るために、作られる人もいる。そうして出来上がった「人」たちは(「人」を作るために作られた「人」を除いて)ほかの星へ旅立っていく。ツルニの場合、探偵になるために作られ、地球に送られてきたらしい。

「地球に関する資料が、向こうの星にもあるんです」

 ツルニはそう教えてくれた。ツルニの外見は、その資料に混じっていた日本の歌手の写真を手本に、作られたのだ、と。そう言われてみれば、こんな顔だちの歌手がいた気もする。

 それと、この半年の間に、ツルニの特技をもう一つ、発見した。

 彼は指を鋏として使うことが出来る。

 人差し指と中指だけを伸ばして、ジャンケンのチョキを作る。二本の指でものを挟み込めば、鋏を使うのと同じ要領で、ものを切断することが出来る。

 ツルニ曰く、なんでも切れるわけではないらしい。三十センチ四方のものまでしか、切ることはできない。無理に、大きなものを切ろうとすると、その向こう側にあるものが切れてしまうらしい。最初は意味が解らなかったが、例えば、目の前に壁がある。その壁を切ろうとしたところで、壁は明らかに三十センチ以上の大きさなので、壁を切ることはできない。すると、壁の代わりに、壁の向こう側にある、例えばカレンダーだったり、時計だったりが切断される、ということらしい。

 逆に言えば、障害物越しに物を切ることも可能、ということだ。便利な能力である。

「それこそ、特技として言うべきなんじゃない?」と言ったら、

「だって、みんな出来るものだと思ってたんです」

 との返事。そこで私は、試しに、自分の「チョキ」で紙を切ろうとしてみたが、人差し指と中指の間に切り傷をこさえただけで終わった。

 

 その、私の切り傷が完治して間もない時に、その男はやって来た。

 名前を磯田修介。背の高い、神経質そうな男だった。

 長い前髪を掻き上げ、掻き上げ、眼鏡の奥の細い目を落ち着きなくキョロキョロさせながら、事務所に入って来た。

 入ってきて、いの一番に、

「殺されそうなんです。どうにかしてくれませんか」

 と言う。

 私は彼に、ソファに座るようにすすめ、ツルニに紅茶を淹れてくれるよう頼んだ。

「落ち着いてください。殺されそう、というのは、あなたが、ですか?」

「ええ、そうです」

「具体的に、お話願えないでしょうか? 脅迫状でも届いたのでしょうか?」

「いえ、そうじゃあないんです」

 磯田は頭を振った。

「あの、以前付き合っていた女に、殺されそうなんです。……その、なんといいますか、大ゲンカしたとか、そういうわけじゃないんですが、付き合ってみて、あ、反りが合わないな、と感じることが多くなりまして。で、そろそろ、別れようと言ったら、向こうが怒って、殺してやる、と」

「それは、怒りにまかせた発言では?」

「そう思われるかもしれませんが、彼女はやるといったら、やるんです。それが、勢いにまかせたことであっても、です」

 私はうーん、と唸ってしまった。「殺してやる」とは、穏やかでない。だが、聞けば男女の痴話げんかに近い気もする。いちいち、本気になっていては、きりがない。

 とりあえず、彼の連絡先を聞いて、その日は終わった。彼からの希望もあって、翌日、彼の自宅へ訪問することとなった。

 

 磯田修介の自宅は、私たちの事務所から歩いて十分ほど。「時雨荘」という築何十年たっているのかわかならない、耐震補強のなってなさでは、私のビルといい勝負をしそうなアパートの二階にあった。

「約束の時間より、早く着いちゃったな」

「そうですね。あと、十八分三十七……三十六……」

「そこまで正確に言わなくていい。時間が有るから、先に、アパートの住人に、聞き込みをしておこうか」

 今回の依頼人の訴えが、どこまで信憑性のあるものかはわからない。また、全ての情報を我々に開示してくれるとも限らない。周りの人の客観的な意見も、良い材料となり得るのである。

 私たちはまず、一階の住民からあたってみることにした。

 チャイムを押すと意外にも、ピンポーン、と軽やかな音が鳴り響いた。ドタドタと誰かが駆けてくる音。

「どちらさま?」

 ドアの隙間から、中年の女性が顔を覗かせた。チェーンをかけたままなので、ドアを全開にすることができないのだ。警戒されているのかもしれない。

「探偵ですッ」

 私が何か言うよりはやく、ツルニが応えた。「探偵」というアイデンティティを、何よりも大切にしたいらしい。

 当然というべきか、女性は胡散臭いものを見る目つきで、「はあ?」と聞き返してきた。

「別に、怪しいものじゃないです。あの、向こうに芝崎ビルってあるでしょう?」

「ああ、あのオンボロの。いつ壊れるかわかんないビルでしょ」

 こんなオンボロアパートの住民に、言われたくない。

「ええ、まあ。私、そこのオーナーで、探偵事務所も運営していまして」

「あら、そうなの」

 女性は「オンボロ」呼ばわりしたビルの持ち主を目の前にしても、悪びれる様子もなく、ふん、と鼻を鳴らした。その目を見れば、まだ警戒していることがわかった。

「あのですね、二階に磯田さんって、いらっしゃるでしょう? この方について、ちょっとお話を伺いたいんですが?」

「そんなこと言われたって困るわ。あの人と話したことなんて、一回もないもの。もういい? 料理の途中で忙しいんだから」

 私が何か言うよりはやく、ドアを閉められてしまった。

「不愛想な人ですね」

「ああいう人もいるさ」

 私たちはめげずに、隣の家のチャイムを鳴らした。同じように、ドアの隙間から、今度は七十は超えていそうなおじいさんが顔を覗かせた。チェーンロックは、かかったまま。

「なんだい」

「すみません、突然。二階にいらっしゃる磯田さんについて、お伺いしたいのですが」

 すると、おじいさんは、私とツルニを交互に見て、それから、

「あの人とは、そんなに関わってないからなあ……。まあ、真面目な人なんじゃないの。毎日、スーツ着て、仕事も行ってるみたいだし」

「なるほど。親しい人はいるようでしたか?」

「うーん……」

 おじいさんは困ったように首をひねった。ここでも、有益な情報は期待できないか。

 と、それまで黙っていたツルニが、一歩、前に進み出たかと思うと、チェーンを人差し指と中指でひょい、と挟んだ。

 まさか、と思う間もなく。

 チェーンはあえなく切断された。

「な、なにやってんだ!」

「だって、チェーンがないほうが、お話しやすいじゃないですか」

「なんだ、これは! いったい、なにをしてくれたんだ!」

 おじいさんの声がひときわ大きくなった。まずい。騒ぎになっては、調査どころか、磯田の部屋に訪問することすら、危うくなる。

 私はおじいさんに「すみません、ちょっと待ってください」と愛想笑いを向けてから、

「ほら、直して、直して!」

 とツルニを急かす。ツルニは少々、不満げだったが、それでも素直にチェーンの端と端をつなぐと、それを両手で覆って、何度かなぜた。

 それから手を離すと、チェーンは何事もなかったかのように、つながっていた。

「ああっ? ひっついた? 切れてたのに……」

「なにおっしゃるんですか、切れてなんかいないでしょ」

「いや、でも、さっき、そっちの坊主が指でチェーンを切ったじゃないか」

「いやだなあ、もう。指でチェーンなんか切れるはずないでしょ」

 本当はチェーンは切断されたし、指でチェーンを切断することもツルニになら、可能である。ちょっと心苦しいが、嘘も方便、というやつだ。

「じゃ、ご協力、ありがとうございます」

 おじいさんに礼を言うと、私たちは逃げるようにアパートの二階に上った。

「ツルニ、人前で、指を使ってものを切っちゃだめだろう」

「そうなんですか?」

 ツルニは不思議そうに首を傾げた。「でも、チェーンがないほうが、お話しやすいし……」

 まだ言ってる。どうやらツルニの中では、チェーン・ロックを外して、面と向かって話すのが理想らしい。

「普通、指でものを切れるなんて思わないんだから、びっくりするじゃないか。相手を余計に驚かせたら、そのあと、有益な情報が得られなくなるかもしれない。だから、人前で、指を使ってものを切るのはやめたほうがいい」

「そうですか……わかりました」

 ツルニは素直に頷いた。

「わかってくれたらいいんだ。じゃあ、時間だし、磯田さんのところへ行こうか。ツルニ、君がチャイムを押してくれ。練習だよ」

「はぁい」

 ツルニはひょこひょこと磯田の部屋の前まで行くと、そこで立ち止まり、なぜか、左手をチョキにした。

 そして、ドアの、ちょうどチェーンのある位置で、ものを切る真似。嫌な予感がする。

「なにしたんだい……?」

「目の前でチェーンを切ったら、びっくりさせちゃうでしょう。だから、先に切っちゃったんです」

 眩暈がした。ツルニは真面目にやっているのだろう。それだけに、たちが悪い。ツルニは磯田も、さっきの住人と同様、チェーンを開けてくれない可能性がある、と考えたのかもしれない。だが、しかし―

「磯田さんには、今日、伺いますって約束してあったろ。開けてくれないわけ、ないじゃないか」

「あっ、そうですね」

「ほら、チェーン、直して」

 すると、何を思ったか、勝手にドアを開けようとする。

 その腕を慌てて抑えると、

「勝手にあけちゃ、だめじゃないか」

「でも、チェーンに直接触らないと、直せないし……」

 なんてことだ。

 どうしたものか。

 チェーンを切断したことは、もちろん問題だ。だが、だからと言って人の部屋に勝手に入ったら、それはそれで大問題である。

 逡巡した結果、私はチャイムを鳴らした。まさか、向こうは私たちがドア越しにチェーンを切断した、なんて思わないだろうから。

 しかし、いくら待っても、磯田は出てこない。それどころか、物音の一つ、聞こえてこない。

 もう一度、押してみる。やはり、何の音も聞こえてこなかった。

「お留守でしょうか?」

「まさか。アポイント、ちゃんととったのに」

 磯田にしてみれば絶体絶命、命がかかった大問題である。それに関する約束を忘れるとは考えにくい。

 まさか。

 私はハンカチでドアノブをくるむと、慎重にそれを動かした。鍵はかかっていなかった。

「ドア、開けるんですか?」

 さっきはダメって言ったくせに……顔にそう書いてある。

「緊急事態だよ」

 そうは言いながらも、私の声は震えていた。「おじゃまします」誰に言うともなしにそう言いながら、私はドアの隙間から、部屋の中を覗いた。

 そして、閉めた。

 開けるときとは、比べものにならない速さで閉めた。

 今見た光景を、頭の中に思い浮かべる。あれは、見間違いじゃないよな……。

 私の見間違いでなければ。

 磯田は椅子に座っていた。いや、性格には磯田らしい人物が椅子に座っていた。

 ただし、首から上のない状態で。

「ねえ、何かあったんですか?」

 ツルニが不思議そうにたずねてくる。見せるべきか、一瞬迷ったが、私は結局、ドアを開けると、そこから中を覗くように言った。

「あそこに人が座ってるだろう」

「はい」

「どんな顔をしているか、見えるかい?」

「いえ。頭の部分がないので、見えないです」

 ああ、やっぱり。

 今、目の前で椅子に座っている人物には。

 首から上、つまり頭部が存在しなかった。

 

ああ、稚拙。今も文章は下手なままだけど。

「ツルニ」の外見描写は、あきらかにデビュー当時のASKA氏である。

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……はーい可愛い~~~~~~!!!

小説を書いたのは、恐らく大学1、2年生の頃。この頃は「ASKAさんて、若い頃は美少女って感じで素敵♡」だったけど、今、この写真を見るとChageさんの方に目がいくよね。なにこの子、可愛い、成長を見守りたい。ご飯おごりたい。つくったご飯を食べていただきたい少年ナンバーワンって感じがする。

Chageさん 可愛い

別に、事件のことがあったから、ASKAさんは嫌いになりました、ではなくね。

ASKAさんがゴツい(筋肉質)なせいで、Chageさんの華奢な感じがより一層、強調されている感じがする。

華奢で小柄で童顔の男性は、可愛いと思う。趣味ですけど。

 

……なんでこんな話になったんだろうね。

この写真は、とても良い写真だと思います。ええ。